天皇陛下の生前退位後の呼び名は上皇(平成上皇)?

はじめに

天皇陛下が、「生前退位』のご意向を示されていることが
話題になっています。

それと同時に
退位後の呼び名が何がいいのかも争点となっています。

現在までの天皇陛下の「生前退位」の状況について
まとめてみました。

1.歴史上の生前退位後の天皇の呼称

・上皇(太上天皇)
生前に位を譲った天皇に対する尊称

・法皇(太上法皇)
出家して仏門に入った上皇

平安時代の院政全盛期には
天皇を退位して
上皇になり、そのあと出家して
法皇となることが多かったようです。

天皇→上皇→法皇の順で大御所感が
醸し出されたようです。

法皇は通称であり、法的な根拠はないとされていますので
より自由な立場で行動できたとのことです。

2.「生前退位」がどうして議論になっているの?

・法律(皇室典範)の改正

戦後の皇室に関する法律は「皇室典範」です。
この皇室典範には
「天皇の死後に、皇位継承者が、即位する」
という風に書かれています。
ですので、天皇の生前退位は現在の法律的には
想定外の出来事であり、
まず法律の改正が必要となります。
それに伴い一部憲法の改正も
必要ではないのかといった議論もされています。

・「上皇」の呼称が問題となっている

天皇の生前退位は江戸時代以前は、
そんなに珍しいことではありませんでした。

ちなみに、最後の上皇は1817年(江戸時代)の
光格天皇
です。

明治時代に、旧皇室典範が作られる時に
「生前譲位」と「太上天皇」
の規定は削除されたので、以後上皇は存在しません。

明治時代の皇室典範は現在の皇室典範に継承され
一世一代の考えが常識となり現在に至っています。

・歴史的経緯

時代を遡ると
平安時代の末期の後白河法皇の頃に
上皇や法皇による院政により
武家の介入を許し世が乱れたことで
「上皇」の呼称は現代では
悪いイメージがあります。

後白河法皇の時代を
僭越ながら、現代のオーナー企業にたとえると

法皇      (特別顧問)
上皇      (会長)
天皇      (社長)
藤原氏     (取締役)
源氏・平氏   (営業部長)

といったイメージです。

社長を引退した会長や特別顧問が
やめた後も会社に君臨して、
その下の取締役や営業部長も二手に分かれて
派閥争いをして、社内並びに社会の混乱を招いたのが
日本史の時間に勉強した

保元平治の乱

です。

こういった理由で

「上皇」って、なんだか時代にミスマッチだよね

といった議論になっています。

ただ、上皇じゃなかったら

どんな呼称がいいの?
新しく造語するの?

と話しを進めると、皆さん

・・・

となっているのが現在の状況です。

おわりに

まだまだ、議論が尽きない問題ではありますが
今後、「生前譲位」が実現された場合は
天皇陛下は
約200年ぶり60人目の太上天皇となります。

呼称が「上皇」であれば
「平成上皇」となる可能性もありますが、
今後の議論の行方に注目していきましょう。

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